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ICT教育のさらなる推進のための環境整備を

――ICT(Information & Communication Technology=情報通信技術)教育の推進について質問する。第五次総合計画や先日の教育長の教育行政方針の中にも、ICT活用の推進という言葉が盛り込まれており、平成30年度からのプログラミング教育の市内全小学校での実施や、老朽化した校内LANの再整備など、市としての教育の情報化を推進していこうとする強い姿勢があらわれているのはとてもよいことだと感じている。しかしながら、文部科学省が昨年公表したパソコン1台当たりの児童生徒数に関しては、全国平均がパソコン1台当たり6.2人に対して、柏市は9.4人と下回っている。このような現状を踏まえて、今後のICT環境の整備の方向性や具体的な数値目標、また課題があったらお示しいただきたい。

学校教育部長「御指摘のとおり、本市の教育用パソコン1台当たりの児童生徒数は、全国平均を下回っている。次期学習指導要領の中では、児童生徒の情報活用能力がますます求められている中、これまでのように学校規模にかかわりなくパソコンルームに同じ台数のパソコンを固定的に整備する方法をとると、学級数の多い学校ではパソコンを活用した授業に制約が生じるという課題がある。来年度より4年計画で行うICT機器の更新においては、大規模校ではパソコンルーム以外に設置場所を限定しない稼働式の教育用パソコンを増設して改善に努めてまいる。このような方針で整備を進めていくことにより、当面中核市の平均である1台当たり7.6人を達成し、最終的には国の目標値である1台当たり3.6人へと近づけるように努めていく。
さらに、次期学習指導要領を踏まえ、主体的、対話的で深い学びの実現に向け、デジタル教科書を初めさまざまなコンテンツに対応できるICT環境の整備充実に努めていく。

平成29年3月9日 同年第1回定例会一般質問より

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プログラミング教育―市立小学校全校で開始します | 柏市役所

ICT活用で教職員の負担軽減を

――近年教職員の勤務時間の増加が大きな問題となっている。柏市ではICT環境の整備を進める方針だが、ICTの利活用による教職員の業務負担を軽減するような取り組みはあるか。

学校教育部長「ICTを活用した教職員の負担軽減としては、公務及び学習指導の二面で取り組んでいる。公務の面では、教職員それぞれに配備している公務用パソコンを用い、児童生徒の出欠状況や学習成績等を電子化し、出席簿や通知表、指導要録などが連動して作成できる公務支援システムを活用することで、業務の効率化と教職員の負担軽減を図っている。
学習面においては、教員がいつでも授業で活用できるようにデジタルコンテンツやそのすぐれた活用事例、またIT教育支援アドバイザーが作成した柏市オリジナルの教材などを共有できるシステムを構築している。また、IT教育支援アドバイザーによる授業支援やニーズに応じたデジタル教材の作成などにより、教職員の負担軽減を図ってまいりたいと考えている」

平成29年3月9日 同年第1回定例会一般質問より


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教職員の長時間勤務による志望者減少、質の低下への懸念
ICT教育のさらなる推進のための環境整備を

公園への防犯カメラ設置の検討を開始 安全対策も実施

――平成28年6月議会において、公園での防犯対策として、防犯カメラの設置を提案した。その後の検討状況は。

都市部長「公園への防犯カメラの設置については、現在他市の状況等を調査しているところであるが、近年の犯罪被害への不安や安全安心に対する意識の高まりを受け、公園への防犯カメラを設置する事例も見受けられるようになっている。東京都荒川区では平成27年10月に公共施設の防犯カメラに関する条例を施行し、区内の全34カ所の区立公園に防犯カメラを設置したと聞いている。また、県内では千葉市や市川市などで防犯カメラの設置基準及びガイドライン等を設けている。
荒川区の例では、設置場所や細かな運用については、有識者で組織する個人情報審議会に諮ることとなっている。また、カメラの映像は、警察や裁判所といった事件の捜査関係目的以外で使用することはできないこと、録画された映像は1週間後に上書きして消去するなどのルールを定めている。さらにプライバシーを守る配慮として、周辺民家が写らないこと、トイレにカメラを向けないこと、公園利用者が知らずに撮影された、されるといった事態が起こらないよう、公園内に防犯カメラのお知らせ文を掲示するなど、細やかな配慮事項を徹底することとなっており、運用面でかなりの労力を割いているようだ。本市の場合は公園数が600カ所を超えているという状況もあるので、設置対象とする公園の選定基準や設置に要する経費、個人情報の取り扱い等も含めて慎重に検討したいと考えている」

――同じく6月議会の質問の中で、すぐにできる防犯対策として公園の外からの死角をつくらないこと、そのために木々の剪定をしっかり行っていくという旨の施策が掲げられた。それについて本年の実施状況は。

都市部長「昨年9月に広報かしわや柏市ホームページでお知らせした公園内広告の管理指針に基づき、公園外から利用者が見通せない場合や公園内の暗がりの原因となっている場合などにおいて、その原因となっている樹木の伐採を行うなど、公園内の視認性を確保した管理に努めている。具体的には周辺環境の改善や防犯性の向上を目的として、柏ビレジ緑道や戸張第三公園、南柏第一公園など、隣地との境界沿いで見通しを阻害していた樹木を伐採した。このような公園内の視認性を確保する対策を含め、今後も公園の安全性の向上に努めていく」

平成29年6月9日 同年第2回定例会一般質問より

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安心して遊べる公園へ 防犯カメラ設置の提案

人口減少時代に向け税収確保、歳入強化を

――予算案について、歳入強化に向けた取り組みについてお伺いする。柏市の人口は現在、増加傾向にあるが、2025年をピークに減少していくという推計がある。先々を見据えて安定した財源を確保するためには、企業誘致の促進や税金の未納の防止など、さまざまな角度からの取り組みが必要と考える。そこで29年度予算案においては、歳入強化の取り組みとしてどのようなものがあるのか。また、これからは税収に頼るばかりではなく、市がみずから稼いでいくことが重要であると、これまでもさまざまな機会において話してきた。歳入強化の手だてとして、資産の活用等を積極的に取り入れていくことが必要だと考えるが、市長の考えは。

市長「財源確保については、歳入の根幹となる市税の収納対策の強化や企業誘致等のほか、市税収入以外についても、受益者負担の適正化、市有財産の有効活用、未利用地の売却、広告収入の確保などの取り組みを行ってきた。具体的な取り組みとしては、平成25年度から市役所駐車場貸付料の徴収、26年度から旧風早南部小学校跡地の太陽光発電事業用地貸付料の徴収を開始をしたことや、27年度からネーミングライツを導入したことなどが挙げられる。29年度予算においては、受益者負担の適正化として情報公開に係る開示実施手数料の徴収や保健勤労会館の普通財産化に伴う貸付料の徴収を開始する。また、今議会において答弁している返戻つきのふるさと寄附金制度を実施する。
市税収入について、平成29年度予算は、前年度比3.1%の増加、一般会計歳入の50%を超える額を見込むことができた。今後少子高齢化が進む中、柏市においても近い将来に人口が減少していく予測の中で、市税収入の減少が見込まれ、市税以外の歳入確保がますます重要になると考えている。今後も持続可能な行政経営の実現のため、柏市第二次行政経営方針に沿って、歳出に係る行財政改革とあわせて歳入確保の強化に努めていく」

――人口は2025年から減少していくという推計があるが、税収を見るといつぐらいから減っていくだろうという推計はあるか。


財政部長「ございます。今は手元にないので、調べ次第、お答えします」

――後で教えていただきたい。要は(税収が)減ってきてしまう前に(実用的な)歳入強化の取り組みの制度化、システム化を進めていっていただきたい。先ほど例の中にネーミングライツも挙がったが、実施しているのは田中浩康球場だけだ。年間にしたら余り大きな額とは言えず、思い切ってネーミングライツの対象の施設をどんどんふやしていくことも必要だ。極端な話、市役所の駐車場にだって名前はつけられるし、公道の交差点にだって名前はつけられる。不動産の有効活用ということも(以前話に)あった。今までのやり方よりももっと大胆に取り組まないと現在の財政規模は保てないと思うがいかがか。

市長「御指摘のとおり今までどおりのことをやっていると、税収入はじり貧だと思うので、今御指摘で挙げた部分で少しでも、金額でもいろんなものを積み重ねて、それが収入になるようにこれからも努力してまいり」

平成29年3月9日 同年第1回定例会一般質問より

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「田中浩康球場」実現へ~ネーミングライツ実施への第一歩~=議会報告

ホームタウンチームとの連携強化 市のスポンサード活動のあり方

――佐賀県が観光アピールを目的にプロ野球公式戦の冠スポンサーになった(※)というニュースがある。柏市には、(レイソルやサンフラワーズなどの)ホームタウンチームもあり、縁があるスポーツチーム等のイベントなどの際に市が冠スポンサーになれば、柏市のPRのほか、さまざまな連携につながる可能性があり、意義深いものになるのではないかと思う。こうした事例について市はどのように考えるか。

地域づくり推進部長「当市においては、柏レイソルを初め、ホームタウンチームが行うスポーツイベントへの共催、後援、広報活動の支援などを行うことで柏市をPRする機会につながっていると考えているところであるが、県外への発信という点では十分でないと認識している。佐賀県の場合、地元ゆかりの監督が所属するプロ野球チームと連携し、県外で行うプロ野球公式戦の冠スポンサーとなり、県の観光物産のPRを行い、一定の効果があったと聞いている。しかし、スポーツイベントの冠スポンサーとなると、多額の費用が見込まれ、費用対効果の面で多くの課題があるものと思われる。よって、スポーツイベントは市のPRに大きな効果があると認める中で、新たな取り組みとなる自治体のスポンサード活動の可能性について研究していく」

――現状では、市が(イベント等にかかわるのは)後援・共催という形になるかと思うが、どちらかというと柏市が認めるイベントなんだよと主催者側が示せるというメリットが強くあって、市にとってはどのようなメリットがあるのかは伝わってこないが、どのようにお考えか。

地域づくり推進部長「共催、後援につきましては、あくまでもそのイベントを支援するという形になる。(柏市が)主催するときは市が積極的にやるという形をとっていきたい。先ほど県外でというお話もあったが、市もそのホームタウンチームが他県でやる場合に、一緒に共催という形で同乗して、同行して、PRするという形も行われているかと思うので、その辺も検討してまいりたい」

――この近隣(自治体)でホームタウンチームをこれだけ持っているのは柏市だけで、柏にしかない武器だと思う。もちろん費用の部分はあるが、今後はその柏の武器を生かすためということで積極的に考えていっていただきたい。


※佐賀県はプロ野球・広島東洋カープの緒方孝市監督が佐賀県鳥栖市出身であることから、カープ主催試合の冠スポンサーとなり、本拠地・マツダスタジアムで観光PRを行った。また、佐賀市出身の辻発彦監督が率いる埼玉西武ライオンズの公式戦でも同様の取り組みが行われた。

平成29年3月9日 同年第1回定例会一般質問より


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佐賀県、カープ戦で冠スポンサーに(佐賀新聞)
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